サマリー

今回のPhilosophy Questの旅先は、鎌倉でした。

鎌倉といえば、都心から近い海水浴場、鶴岡八幡宮や長谷寺をはじめとする多数の寺社仏閣、食べ歩きの人で賑わう小町通り。まさに日本を代表する観光地です。きっと一度は行かれたことがあるのではないでしょうか？

そんな馴染み深い鎌倉ですが、哲学という新しいレンズを通して見る鎌倉は、全く違った景色になります。

どういった思いで作られた街なのか。どのような変遷を辿ってきたのか。見慣れた鎌倉でも、たくさんの「問い」が浮かんできます。それに対して、自然あふれる環境で思索にふける。そんな体験はきっと、鎌倉という土地と紐づき、あなたの心に残り続けます。

当日は、堀越 耀介氏（哲学ウォーク、哲学対話）、今野 有子氏（五感による自己探求）、松倉 大士氏（問いへの探検）をナビゲーターに招き、参加されたみなさまは、新しい視点で鎌倉を再発見しました。

堀越 耀介（Dr. Yosuke Horikoshi） 東京大学 特任研究員 (共生のための国際哲学研究センター上廣共生哲学講座)。上智大学、明治大学、立教大学、横浜国立大学非常勤講師。主研究領域は哲学対話。教育機関および企業(Honda、 SBI新生銀行、三井不動産、NECソリューションイノベータ、電通、日経新聞など)における哲学研修・哲学コンサルティングも行っている。

ナビゲーター 今野 有子

今野 有子（Yuko Konno）

ソムリエ/WSET London Advanced Wine Taster。五感を研ぎ澄ませ、微細な変化や違いに集中し、感覚を言語化するプロフェッショナル。世界を旅しワインを買い付け販売するとともに、大使館や大手企業とのイベント企画、商品開発、テレビ番組や雑誌の監修などワイン文化の普及活動を幅広く行なっている。 また、社会人留学、起業、グローバル事業の立ち上げ、女性のキャリア形成、米国でのバイリンガル教育、３ヶ国語の同時学習など実体験を活かしたビジネス、講演を複数手がけている。起業し2児の母となって以降もフランス、フィリピンに親子留学し多様な価値観を取り入れた教育を実践。2020年からハワイに移住し、現在はシリコンバレー在住。日米で3社の経営および企業のアドバイザー、語学学校の主宰を務める。

ナビゲーター 松倉 大士

松倉 大士（Daishi Matsukura）

問いの生成メソドロジーのエキスパート。

企業の経営者や研究機関の研究者に対し、問いを通した意思決定を実現する「哲学メンタリング」を行う。Forbes 30 Under 30 Japan/Asiaを輩出。

その他、Philosophy Technologies（シリコンバレー）のCo-Founder&Co-CEO、投資ファンド（ニューヨーク）のGeneral Partner、スタートアップ企業の社外取締役（2社）、Plug and PlayとJETROのアクセラレーションプログラム・メンター。

本イベントの監修

医師監修　原 咲樹

原 咲樹（Saki Hara）

「Q. 健康な人生はどのようにして得られるのか？」という問いを追求し、栄養学、神経科学、心理学を治療アプローチに組み込んでいる。

当日の様子

鎌倉の山を、思索しながら練り歩きます。哲学者の名言にピンときた場所で発表

参加者からも、途切れることなく質問が出ます

五感による自己探求では、お茶とジュースのブレンドされた4つのドリンクが配られました

どれもコンビニエンスストアではお馴染みのお茶とジュース。でもいざ飲んでみると…

どのドリンクに、どんなお茶とどんなジュースが入っているのか。五感をフルに使いながら、探求していく参加者

問いへの探検では、ペアになって問い合います。NG問いワードがあるので、聞きたいこともなかなか聞き出せない歯がゆさがあります

哲学対話では、まず問いを出すところから始まります。問いに対して、参加者から活発な質問やアイディアが出ました

11:30-13:00 哲学ウォーク(*)

(*) 哲学ウォーク 当日の朝、ご自身が心惹かれた哲学者の名言を心に留めながら、自然の中を散策します。 木々の香り、土の感触、鳥の声、空の色・・五感を最大限活用し、じっくりと考えを深めることができます。

• まず参加者には、他の参加者には見せないように、哲学者の名言が書かれたカードが配られました
• その後、カードを胸に、鎌倉の山を思索しながらの散策。哲学者の名言にピンときた場所で、名言の内容と自分自身の考えを発表。他のメンバーからも、問いを投げかけられさらに思索そして散策を続けます
• 出発地点に戻り、他の参加者からの問いに対する答えを発表。哲学ウォークを通して気づいたことをお互いに共有しました

13:00-14:00 懇親会ランチ

14:00-14:45 五感による自己探求(*)

(*) 五感による自己探求は、自分の五感を使って自分自身を探求します。このセッションでは、見たり、聞いたり、触ったり、匂いを嗅いだり、味わったりすることで、自分の感覚を活性化させ、自己理解を深めることが目的です。具体的には、日常の中で見慣れた風景や身近な食べ物、飲み物などに全身の注意を向けて、その感触や香り、味などをじっくりと味わいます。身体的な感覚を自分の感情や思考と関連付けて言語化することで、より深い自己探求や人生の豊かさについて考えることができます。

• まず参加者には、4つのドリンクが配られました。どれもコンビニエンスストアで売られている、お茶とジュースを特別にミックスさせたものです
• 参加者は、4つのドリンクをそれぞれじっくり味わい、どんな風に感じたかを言語化し、最後に発表をしました。参加者からは、「えーっ、なんだろうこれ！？」「1番目が好き」「言われてみると確かにそうだ。。。」など、様々な感想が出ました
• この探求のポイントは、「Q. 自分は何を飲んでいるのか？」という問い。私たちは、自分が飲んでいるものにさえ、意識する機会が少ない日常を送っています。参加者は、改めて自分自身の感じ方を言語化を通して、フィロソフィーを探求しました

14:45-15:00 休憩

15:00-15:45 問いへの探検

(*) 問いへの探検 問いへの探検は、問いを体系的に学び、自分自身の問いを探求するプロセスです。参加者同士で問いを意識したコミュニケーションを行うことで、自分自身の問いの特徴やバイアスに気づいたり、他者への問いかけや問いに対するフィードバックを通して、問いをブラッシュアップすることができます。

• まず参加者と一緒に、問いとはなんであるか。そして、問いの基本的な形（WHY? WHO? WHAT? WHOM? WHEN? WHERE? HOW? Yes/NO?）についての確認をしました
• その後、参加者同士でペアになり、「NG問いワード」に気をつけながら、相手に聞きたいことを、問いを巧みに使って聞き出しました。そして最後にお互いのことを知り・理解するような問いを投げかけ合い、お互いのよかった問いについて発表しました
• この探求のポイントは、「Q. あなたはどんな問いを投げているのか？」という問い。私たちは、自分が普段他者に対して、どんな問いを投げかけているか意識する機会が少ない日常を送っています。参加者は、改めて自分自身の問いの癖や性質、相手への伝わり方を理解し、フィロソフィーを探求しました

16:00-16:15 休憩

16:15-17:00 哲学対話(*)

(*) 哲学対話は、哲学的な問題やテーマに対して参加者が自由に意見を交換するプロセスです。対話を通じて深い理解や新しい視点を得ること、自己の考えや信念を探究すること、そして他者との共感や理解を深めることができます。

• まず参加者全員で輪になり、この場の対話の仕方、話すひとにパスしていくコミュニケーション・ボールの使い方、今日のお題となる問いについて確認しました
• 「Q. 何をすれば、自己を紹介したことになるのか？」「Q. 過去の自分は、今の自分をどれくらい表現しているのか？」「Q. 人間は「不便」を知るとどうなるのか？」など、答えが一つに決まらない問いに対して、参加者は各々の実体験を話したり、他の参加者の意見にじっと耳を傾け、対話をしました
• この探求のポイントは、問いを通した対話。参加者は、問いを通して、自分が話すということ、他者の話を聴くということを意識しました。そして、自分の考えに意識したり、他者の考えとの違いを理解し、フィロソフィーを探求しました

17:30 懇親会ディナー

参加者の声（感想）

• まず、自分に体力がないことに気づけました！哲学者の名言は、いま自分が置かれた状況にとても響きました。お茶を使ったクエスト、とても楽しかったです（20代男性、経営者）
• 「問」とはなにかが体感できました（30代、会社員）

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